世田谷区・千歳烏山のイタリアン「のんとろっぽ」からお知らせ

ジェラティーナは大変だ(笑)

skypeでイタリア語のレッスンをやっています。

主におしゃべり(会話)と本を読みながら進めています。

教科書にしているのは19世紀後半に第1版が出た王道の料理本La scienza in cucinaです。古典勉強しないとね。

ようやっとレシピ的な部分に入ってきたのですが、今日は3.Gelatinaの項について書きます!

ジェラティーナと読みます。イメージしやすいように書くとコンソメゼリー的なものです。

 

ジェラティーナはルネサンス時代にもすでに贅沢なテリーヌ類のひとつとして食べられていました。メディチ家のバンケット(宴会)にもまな板に豚のジェラティーナ(豚足テリーヌ的なイメージ)を盛ったものが庶民にもふるまわれたというのを読みました。

今まさに、ビストロとかでオサレまな板にテリーヌとか盛るの↓↓と一緒だね(笑)映え的な?あるある(笑)

おそらく最初はたとえば豚の顔(沖縄風に言えばチラガー笑)の煮凝り的なものだったはずです。それはゼラチンの種類のひとつに100%豚皮のものがあることからもわかります。

 

ジェラティーナは透明で口の中でとろける食感とそのあとにくる旨みが素敵ですよね。

 

さて、話をアルトゥージのレシピに戻りましょう。

3.gelatina

筋肉質で骨のない部分500g 、仔牛の足1本、2~3話分の鶏の足、首のついた鶏の頭2個をとろ火で7~8時間煮出します。そして水分量が半分になるころキレイに漉して、基本的には出来上がりです。まだジェラティーナの固さがたりなかったり、澄んだ水色になりきらなかったり、うつくしい琥珀色にならなかったときは70gの仔牛のペーストと卵を合わせてゆっくり冷たいところから沸かしなおし、20分やさしく煮ることで綺麗になるでしょう。また美しい色と香りのためにほんの一滴のカラメル、そしてマルサラ酒を使用してもよいでしょう。

とあります。

 

のんとろっぽでも鴨の頭と首肉、それから鴨のもみじを叩いて二日間かけて同じように最初のジェラティーナをつくります。そして翌日水色の透明度を高めるため、さらに肉と卵をたして澄まし、一滴のカラメル、マルサラでうつくしい琥珀色と香りを付けました。

なかに半熟のポーチドエッグをつめてソースをかけてどうぞ!↓↓

イタリア語の先生、エルネストにもアルトゥージに沿って料理したことを報告。

「ユカ、いくらでその料理出しているの?」

「え、¥800。」

「安すぎるよ!だって2日かけてジェラティーナをとって、さらにもう一日かかるんでしょ!?大変な手間のかかる料理じゃない!」

「エルネスト、ありがとう。そうなんだよ、作るのは大変なんだけどなんか出ないんだよね。」

「毎回ちゃんと説明しないからだよ!」

つくった私より親身になってくれているエルネスト(笑)。 ありがとう。

たぶんふつうのゼリーだと思われてるのかな。ま、いいけど。いちいち説明するのもめんどくさいし。

 

まぁ、ウケる料理と地味な料理があってもいいじゃない、ね?

でも気に入っています(笑) ふふ。

 

黄金のリゾット ミラノ風リゾット

ちゃんとイタリア語のレッスン!してますよ~!

今日もまた古いイタリアの料理本、la scienza in cucina「料理の科学」からミラノ風リゾットの項を読みました!

ミラノ風リゾットとは、サフランで黄色くなったチーズの入ったリッチな味わいのリゾットです。

日本でも有名なこのリゾットは中世に生まれます。

このミラノ風リゾットは、1574年にベルギーのガラス職人ヴァレリオ・ディ・フィアンドラの娘の結婚式のための料理として生まれました。当時、彼はミラノ大聖堂の窓に取り組んでいたためにミラノに住んでいました 。

ヴァレリオの同僚のガラス職人はその結婚式のために白いリゾットにおめでたい色である黄色いバターを追加しました。黄色は金を意味し、富を象徴する色でもありました。その黄色いバターこそがサフラン入りだったのです。

中世ではスパイスはものすごく高価で一般人は口にすることはまずありませんが、当時ガラスの黄色の色を得るために使用されていました。ガラス職人には手に入りやすい状況だったのでしょうね。

その風味と、金を想起させる黄色の色合いの両方で、すぐに大流行。 サフランは鎮静効果等も認められていたため、すぐに黄色のリゾットがミラノ中に広がったのです 。

縁起のいいミラノ風リゾット、イタリアではたまにリゾット・ドーロrisotto d’oro黄金のリゾットとも呼ばれています。

桜の時期にはつきものの、菜の花色にも見えまする。

シンプルですがシャモロックの出汁をたっぷりつかっているのでとってもおいしいです。ぜひぜひどうぞ。

 

自然界の二人の王って誰?

先日のイタリア語のレッスン。いつものんとろっぽまで先生に来ていただいているのでお茶とお菓子をお出ししています。

写真はラムだけどその時はほうじ茶だしたわよ~(笑)

「トリュフチョコです。」

「ユカがつくったの?」

「そうです。」

パクっ。・・・・!

「本当にトリュフ入ってるじゃないか!」

「そうですね。」

「トリュフを使った料理っていうのはほとんどがトリュフの香りが強すぎて素材の味がわからなくなるんだよ!・・・・・・・・これは良い。」

 

素直においしいって言いなよ~?とそういう小面倒な説明が好きなところがイタリア人だ、思います。個人的にね。

・・・・ええ、ここまではまくらです。トリュフチョコ食べてね♡ってことです。(笑)

 

日本人とイタリア人、ほかの国の方にしろ、好みの話し方ももちろん違いますが、いろいろな生活習慣や歴史ももちろん違うのでそこが面白いところですね。

イタリアの古い料理本、La Scienza in cuccina[料理の科学]を教科書として読んでいるのですが

イタリア人は概念の話やそこへ至る経緯の話が結構長めなので単語が難しくってなかなか進まず・・・でしたがようやく料理と健康の項に入ってきました。この辺になれば知ってる単語が増えて進むスピードが上がる・・・。ほぅ。

朝ごはんや昼ご飯の健康的な取り方の話からかなりざっくりいうといろんな質のいい食材を取るようにという話のところです。

Più e diverse qualità di cibi, dei due regni della natura,

「二人の自然界の王の、いろんな品質や種類の食事」というくだりがあります。

先生が私に質問しました。

「ユカは二人の王ってどう思う?」と聞かれたので

自然界の食材をつかさどる二人の王・・・・、すぐに私は海彦、山彦をイメージしたのです。

「….il regno di terra e il regno di mare.(大地の王=山彦、と海の王。)」

そうしたらう~ん、違うんだな~って。じゃぁ誰なんだって話ですよね。

「動物の王と魚類の王」なんだそうです。

えっ。野菜は?

「生き物じゃないでしょ?・・・というか、う~ん、野菜も生きてるけどね。」

 

西洋の人の感覚が面白いです。向こうはこっちが面白いんだろうけど。。

生き物の線引きがそこなんだとおもってびっくりしました。

健康のためのベジタリアンじゃない人が結構いる理由もなんとなくわかったような。

習慣や宗教や地域性なんでしょうね。

脳があるかないか、という事だとも聞いたことがありますが、こんどどうしてそこで線を引くのかが知りたいですねぇ。

ちがう文化とは面白いです。

古いイタリア語の料理書la scieza in cucina

イタリア語、勉強してます。

コックになってしばらくして、いろんな本を読んでいた時です。ひらたくいうと、フランス料理の本は古い本でも日本語に翻訳された本がたくさんあるのですが、イタリア料理の本は「銀のスプーン」とか「地方料理」くらいしか存在しないことに驚きました。ああ、これはイタリア語を勉強しないといけないな、というのと同時に、もし、勉強出来たら私が日本人の後進のために訳せるようになったりしないかしら?などと壮大な夢をいだいたおバカちゃんです(笑)若かったな(笑)

いずれはルネッサンス時代の偉大な料理人メッシスブーゴ(西洋料理の基礎を築いたとフランス人も認めるイタリア人(笑))の書いた「バンケット」や中世の料理の革命(今のイタリア料理の元になった)と言われた「サレルノ養生訓」も読んでみたいです。

その手始めとして時代はイタリア統一後の19世紀に出版されイタリアで最も売れた本の一つと言われるLa scinza in cucina「料理の科学」を読み始めました。

アマゾンで購入。Kindleでも一応購入。古い本なのでお安いです。あ、イタリアの本は安定のとっても重たいです。

この本を書いたペッレグリーノ・アルトゥージ。↓↓

現代のレシピとかはじゃんじゃん読めるんだけれど、古語?で書かれているからかレシピ読むのも一苦労・・・。一レシピあたり2,3回辞書ひいている・・・・(汗)。ちなみに700以上のレシピが掲載。。。

さらにこの本の作られた経緯とか序文読むだけでむちゃくちゃ大変だよー!(料理用語以外むちゃくちゃ弱いからなんだけど)

‥‥若い世代のために翻訳しちゃったりなんかしちゃって?ぷぷー☆・・なんて思ってた若かりし日が遠いわ・・。

少しずつ読んで、古いレシピもつくってみようと思っています。

とりあえず序文の2、「料理の小説(散文)」(←平たく言うとこういう本になった経緯。)は読んだぜ!遠いな~